フリーランスと税金について

個人事業主・フリーランスとして事業を行う場合は、自分で1年間の収支を計算し、確定申告して税金を納める必要があります。
ここでは、納める必要のある税金を解説してきます。

支払うべき税金
経費にできる税金、費用
会社員と比べてどうなるか
1. 年収500万円の場合
まとめ

支払うべき税金

支払うべき税金は以下です。

所得税
住民税
国民健康保険
国民年金
個人事業税
消費税
その他(固定資産税や不動産取得税など)

それぞれについて解説してきます。

所得税

1月1日から12月31日の1年間に得た個人の所得に対して課される税金。
また、令和19年(2037年)までは、復興特別所得税(税率2.1%)も納める必要がある。

所得金額により納める金額が変わるので、その一覧を記載する。

課税される所得金額	税率	控除額
1,000円から1,949,000円まで	5%	0円
1,950,000円から3,299,000円まで	10%	97,500円
3,300,000円から6,949,000円まで	20%	427,500円
6,950,000円から8,999,000円まで	23%	636,000円
9,000,000円から17,999,000円まで	33%	1,536,000円
18,000,000円から39,999,000円まで	40%	2,796,000円
40,000,000円以上	45%	4,796,000円

出典：国税庁「No.2260 所得の税率」

例えば、課税対象金額が600万円の場合
6,000,000 × 0.20 – 427,500 = 772,500・・・基準所得税額
772,500 × 0.021 = 16,222・・・復興特別所得税額
　納める所得税 = 基準所得税額+復興特別所得税額
　　　　　　　 = 772,500 + 16,222
　　　　　　　 = 788,722(円)を納付する必要があります。

住民税

前年の所得を基準住んでいる都道府県と市区町村に収める税金。
前年の確定申告による所得をもとに毎年6月ごろに送られてくる納付書で納める。

国民健康保険

社会保険を受けるために必要な税金(加入必須)。
フリーランスは「第1号被保険者」となり、自分で納める必要がある。
ただし、確定申告で全額控除することが可能。

国民年金

日本国内に居住している20歳以上60歳未満の方は加入が必要な税金。
フリーランスの場合は、国民年金に加入する必要がある。
2022年度の国民年金保険料は16,590円/月
会社員の場合は、国民年金+厚生年金に加入している。
ただし、確定申告で全額控除することが可能。

個人事業税

個人事業主が事業を行う際に受ける公共サービスに対して納める税金。
事業所得が年間290万円超の個人事業主に課されます。
都道府県が税額を計算し、8月と11月の2回送付される納税通知書に従って納める。
ただし、個人事業税額は全額を必要経費に計上することが可能。
※業種により、納税が不要の場合があるが契約による場合があるので注意が必要

消費税

ものやサービスなどを売買したときにかかる税金。
原則、2年前の課税売上高(年間)が1,000万円を超えるときに支払う税金。
ただし、前年の1月1日～6月30日の課税売上高が1,000万円を超える場合は、支払う必要があります。

その他の税金

事業で土地や建物を所有している場合にかかる固定資産税や
土地や建物を取得したときにかかる不動産取得税などが場合により発生します。

経費にできる税金、費用

以下のすべてで全額経費にできるではないが、経費にできる可能性があるものを記載

消費税
自動車税
固定資産税
個人事業税
不動産取得税
家賃、光熱費など

会社員と比べてどうなるか

会社員とフリーランスの金額についてそれぞれ計算してみます。

30歳男性
扶養家族なし

年収500万円の場合

フリーランス	会社員
事業所得：500万円	給与所得：500万円
必要経費：-150万円	給与所得控除：-144万円
青色申告控除：-65万円	社会保険料：-50万円
国民健康保険：-20万円	基礎控除：-38万円
国民年金：-20万円
基礎控除：-38万円
所得合計：207万円	所得合計：268万円