2020年本屋大賞2位の作品で、動画でもプロモーションされた書籍なので、タイトルだけでも耳にした方も多いのではないでしょうか。
本書は若くして余命宣告された主人公が、ホスピスで残りの人生を過ごす物語です。
「生きることとは?」
「死後の世界はどんなところ?」
「自分が死んだあとはどうなる?」
このような悩みを主人公と一緒に考えられる作品となっています。
この記事ではそんな「ライオンのおやつ」の感想を紹介します。
ぜひ、この本を手にとるか迷っている方の参考になれば幸いです。
あらすじ
人生の最後に食べたいおやつは何ですか――
若くして余命を告げられた主人公の雫は、瀬戸内の島のホスピスで残りの日々を過ごすことを決め、穏やかな景色のなか、本当にしたかったことを考える。
ホスピスでは、毎週日曜日、入居者がリクエストできる「おやつの時間」があるのだが、雫はなかなか選べずにいた。
――食べて、生きて、この世から旅立つ。
すべての人にいつか訪れることをあたたかく描き出す、今が愛おしくなる物語。
この本を手にとったきっかけ
2020年本屋大賞で2位だったこともあり、書店でピックアップされており、タイトルに惹かれたため。
その際は、新書で購入したが忙しさにかまけて、1年ほど読まずに放置し、メルカリ行き・・・。
1ページも読まず、手放したことを後悔していた時に、文庫を見つけたため、購入。
読んでみた感想
あらすじを読まず、タイトルとジャケットを見て購入したため、動物ものストーリーだと勘違いしていました。
読み終わった際には、温かい気持ちになったので結果オーライかと笑
若くして余命宣告をされた主人公が、ライオンの家を通じて、人生の最期を考え、悩んでいる姿には、私自身も考えさせられるものがあった。
ちょうど主人公と同じ年齢だったため、今自分が余命宣告されたらどうなってしまうのかとも考えてしまう。
印象に残っているのは、「人生はロウソクのようなもの」というフレーズだ。
誰かが火をつけないとロウソクは火を灯せないし、いつ日か消えるかわからない。長さもわからないため、まさにその通りだと感じました。
病気でなくとも、突然何かが起こってこの世にいられなくなる可能性だってあり、それを考えると自分は今のままでいいのだろうかと本当に考えさせられます。
その答えを自分で探していかなきゃいけないと思わされた作品でした。
まとめ
生きていくうえで避けて通れない死について考えさせられる作品です。
ただ、涙を流す物語りではなく、主人公の葛藤や周囲との関係性、その後の影響など本当に考えさせられる。
それを読みやすく書かれているため、無理なく読み進められるのがこの作品の魅力だと感じました。
マドンナをはじめ、タヒチくんやマスターなど多彩な人物も登場するため、すぐに読み進められる作品です。
気になっている人がいたら、ぜひ手にとって読むのをおすすめします。
書籍の情報
作者 | 小川 糸 |
代表作 | 「食堂かたつむり」や「とわの庭」など |
出版社 | ポプラ社 |
発売日 | 2019年10月9日 |
ページ数 | 255ページ |
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